日本の伝統的な食ともいえる納豆。柔らかく煮た大豆に納豆菌を混ぜ発酵させた発酵食品です。独特の匂いや食感から海外ではなかなか受け入れられない方も多いようですが、日本では大好きな方が多いのではないでしょうか?今回はそんな納豆の栄養や食べ合わせの良い食材と悪い食材を管理栄養士が解説します!
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合同会社HITOOMOI
2019年1月に設立したフードコーディネーターと管理栄養士が在籍する料理研究家の会社。レシピの企画・開発から撮影、スタイリング、栄養計算、商品開発を中心に事業を行う。ミッションは「好きな人を想う手作り料理で幸せな食卓づくりを。」
納豆のキホン情報!旬や産地・栄養効果は?
納豆の旬や産地について
一見、旬がなさそうな納豆ですが実は納豆にも1番美味しくなるとされる旬があります!原料に使用される大豆の収穫時期は11~12月頃。そこから加工するため、納豆の旬は1~3月頃といわれています。
産地は茨城や秋田、熊本などです。
納豆の栄養素と期待できる効果
納豆には納豆にしか存在しない栄養素があります。それは納豆のネバネバに含まれるナットウキナーゼといわれる栄養素です。ナットウキナーゼは血液をサラサラにする作用があり、動脈硬化や心筋梗塞などの予防効果が期待できます。また、抗酸化作用や整腸作用もあるので、日々ストレスの戦う現代人にとっては強い味方の栄養素です。
他にも、女性に嬉しいアンチエイジングに効果のあるイソフラボンや、身体を作るのに欠かせない良質なたんぱく質も豊富に含まれています。
管理栄養士が教える!納豆がオススメなのはこんな人
栄養豊富な納豆は、とくに下記の人にオススメしたい食品です。
- 血液をサラサラにしたい人
- 生活習慣病を予防したい人
- 便秘がちな人
血液をサラサラにしたい方に納豆はぴったり!納豆のネバネバに含まれる栄養素・ナットウキナーゼには、血液をサラサラにする作用があります。
また、動脈硬化や心筋梗塞などの予防効果が期待できるので、生活習慣病が気になる方にもオススメですよ。
さらに、整腸作用もあるので便秘しがちな方にも良いでしょう。発酵食品同士の食べ合わせも良いので、腸内環境を整えたい方にも食べてもらいたいです。
納豆と食べ合わせの良い食品については、のちほど詳しく解説するので、参考にしてみてくださいね!
納豆と食べ合わせが悪い食品2つ
NG①納豆×卵の食べ合わせ
この組み合わせがNGなのは、卵の卵白に含まれるアビジンという成分が納豆に含まれるビオチンという成分の吸収率を下げるためです。ビオチンは皮膚や髪の毛などの健康維持に関わるはたらきがあります。
そのため、吸収率を下げないため納豆×卵黄の組み合わせにするか、アビジンは熱に弱いので温泉卵など加熱をしてから納豆と組み合わせるといいでしょう。
NG②納豆×熱々ご飯の食べ合わせ
熱々ご飯の上に納豆をかけて食べるのはとても美味しいですが、納豆に含まれるナットウキナーゼは熱に弱いため50度以上になると失活してしまいます。
そのため、50度以下のご飯を目安に一緒にいただくのがいいでしょう。
納豆と食べ合わせが良い食品5つ
OK①納豆×ねぎの食べ合わせ
納豆に含まれるビタミンB1は、疲労回復に効果が期待でき、ねぎの硫化アリルはビタミンB1のはたらきをサポートしてくれます。ですので、疲れた時にはとてもオススメな食べ合わせです。
OK②納豆×モロヘイヤの食べ合わせ
納豆には血管を丈夫にしてくれるはたらきのある、ポリアミンという成分が含まれています。このポリアミンはモロヘイヤに含まれる抗酸化作用があるフィトケミカルと一緒に摂取することで、相乗効果となり血管強化が期待できます。
老化を防ぎたい・血管を丈夫にしたい人にオススメです!
OK③納豆×アーモンドの食べ合わせ
意外な組み合わせですが、こちらの食べ合わせもGOOD。納豆のイソフラボンとアーモンドのビタミンEが、相乗効果によってホルモンバランスを整えてくれます。
ホルモンバランスが乱れると精神状態が不安定になるだけでなく、体調も優れなくなってきます。そのため女性やホルモンバランスが気になる方にオススメです。
OK④納豆×サンマの食べ合わせ
集中力を高めたい時や記憶力を上げたい時はこちらの食べ合わせがオススメ。サンマに含まれるDHAと納豆に含まれる亜鉛は一緒に摂取することで相乗効果が期待でき、勉強や作業の効率UPが期待できます。
OK⑤納豆×キムチの食べ合わせ
よく発酵食品同士の相性がいいとは言われますが、まさにその通りです。
納豆の納豆菌がキムチの乳酸菌と相乗効果が期待できます。腸内環境を整えてくれるので、便秘がちな方や腸内環境が気になる方にオススメな食べ合わせです。
納豆はよく混ぜた方が美味しい?
納豆はよく混ぜた方がいいのでしょうか?
よく聞かれますが、答えはご自身の好きなネバネバ具合が1番です!というのも、よく混ぜたからといって栄養素が変わるわけではないからです。ですが、混ぜることによって旨味成分が向上するのでお好みでいただきましょう。
用途や気分に合わせて、納豆を味わおう!
納豆は忙しい朝にはパッと主食代わりになり、夜はおかずになる万能食品です。栄養も豊富で毎日取り入れたい食品のひとつですね!これから旬を迎える納豆を栄養を逃さずいただきましょう。
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