【管理栄養士監修】オクラの栄養素・効果は?美味しく食べられるレシピ付き

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合同会社HITOOMOI

2019年1月に設立したフードコーディネーターと管理栄養士が在籍する料理研究家の会社。レシピの企画・開発から撮影、スタイリング、栄養計算、商品開発を中心に事業を行う。ミッションは「好きな人を想う手作り料理で幸せな食卓づくりを。」

もくじ

オクラってそもそも何?

オクラはアオイ科トロロアオイ属の植物。夏に黄色の綺麗な花を咲かせ、その後実を結び、実の部分がオクラとして市販されています。

オクラの旬は夏の時期。6月から9月にかけて店頭に並びます。さっぱりいただける夏に人気の緑黄色野菜ですね。

原産国はアフリカで、日本だと鹿児島県や高知県など暖かい地域での栽培が盛んです。

普通のオクラは5〜10cmほどで断面が五角形のものですが、沖縄や八丈島などの地域で栽培されている島オクラと呼ばれる品種は長さが20cm以上もあり、断面は角が丸いのが特長です。

オクラの栄養素と期待できる効果は

オクラにはビタミンやミネラル、食物繊維が含まれており、栄養価の高い食材のひとつ。含まれている栄養素によってどのような効果が期待できるのでしょうか?

胃の粘膜を保護する

オクラのネバネバの元となる成分は、主に水溶性食物繊維の「ペクチン」です。

水に溶けやすい「水溶性食物繊維」は、体内で整腸作用の効果があり、胃の粘膜を保護したり、たんぱく質の消化を促します。

便秘気味の方にオススメの食材こそオクラといえるでしょう。

夏バテ防止・疲労回復に効果的

オクラに含まれているビタミンB群は、体内でエネルギーを作る働きをサポートする役割があり、夏バテ防止に役立ちます。

また、オクラには体内でビタミンAに変換される「β-カロテン」も含まれるのが特徴です。粘膜や皮膚を正常に維持し、抗酸化作用免疫力の向上に期待できると言われています。

粘膜が弱まると体内にウイルスが入ってきやすくなるので、食事面でもしっかり予防したいですね。

生活習慣病の予防にも繋がる

オクラには、塩分を排出する役割がある「カリウム」も豊富。摂りすぎた塩分を尿中に排泄されるよう調整してくれるため、血圧を下げる効果があります。

つい塩分過多な食生活を送ってしまった際には、ぜひ食卓にオクラを取り入れてみてください。

オクラを冷凍したら栄養価はどうなる?

冷凍したオクラは、茹でてすぐ食べる場合と比べても、栄養成分に変わりはありません。ただし、冷凍した場合は解凍方法に注意が必要です。

解凍する際に必ず出てくる水分と一緒に、ビタミンCやペクチンなどの水溶性の栄養素が流れ出てしまうため、自然解凍ではその多くが失われてしまいます。

また、見た目に大きな変化はないですが、食感はすぐ食べる時よりも水分が出たり、加熱調理を行うことで柔らかくなります。

オクラの栄養素一覧表

食品100gゆで
エネルギー(kcal)3033
水分(g)90.289.4
たんぱく質(g)2.12.1
脂質(g)0.20.1
炭水化物(g)6.67.6
ナトリウム(mg)44
カリウム(mg)260280
カルシウム(mg)9290
マグネシウム(mg)5151
リン(mg)5856
鉄(mg)0.50.5
亜鉛(mg)0.60.5
ビタミンA
(β-カロテン当量)(μg)
670720
ビタミンA
(レチノール活性当量)(μg)
5660
ビタミンE
(α-トコフェロール)(mg)
1.21.2
ビタミンK(μg)7175
ビタミンB1(mg)0.090.09
ビタミンB2(mg)0.090.09
ビタミンC(mg)117
ビタミンB6(mg)0.100.08
ビタミンB12(mg)(0)(0)
葉酸(μg)110110
水溶性食物繊維(g)1.41.6
不溶性食物繊維(g)3.63.6
食物繊維総量(g)5.05.2
出典:日本食品標準成分表2015年版(七訂)

美味しいオクラの選び方

オクラの選び方のコツは、7cmほどのサイズで大きすぎないものを選ぶのがポイントです。オクラは植物の実の部分であるため、大きく成長しすぎたものだと噛んだ時に固い食感になります。

また、ヘタが黒く変色しているものは傷んでいるサインなので避けた方がよいでしょう。

オクラを食べる際の注意点

オクラのアレルギーについて

オクラのアレルギーは一般的ではないですが、ゼロではありません。オクラのネバネバで食べた時に口周りや口の中が痒くなるケースもあるようです。

口腔アレルギーの一種の可能性もあるので、違和感がある場合は病院に相談してください。

離乳食として赤ちゃんにオクラを与える時は

オクラは離乳食でも使える食材。赤ちゃんがオクラを食べれるようになる時期は、離乳食中期の7~8カ月頃ですよ。

その際、ぜひやってほしい下処理は、塩を振って板ずりをして毛を落とすことと、オクラの種まで取り除くことです。特に種は、赤ちゃんにとって食べにくく、消化にも悪いので注意しましょう。

管理栄養士が教える!オクラの正しい下処理・調理法

オクラの下処理のポイント

オクラの下処理は2つの工程・ポイントがあります。

1つ目は、1〜2つまみ程度の塩をオクラにまぶし、まな板の上で手のひらを使って転がすこと。これは「板ずり」といい、表面の産毛が取れて、見た目や口あたりがよくなります。

2つ目は、ヘタの周りを囲んでいる「ガク」と呼ばれる部分を包丁で削り取ること。りんごの皮を剥くような要領で、クルクルとオクラを回しながら切り取っていきます。ヘタを切り取らないよう注意しながら除きましょう。

これが基本の下処理になります。

「さっと茹でる」か「生で食べる」のが栄養価キープのコツ

下処理後、さっと茹でた場合も生で食べる場合も、栄養価に大きな差はありません。

茹でる場合のみ注意する点としては、水溶性の食物繊維が溶け出してしまわないよう、沸騰したお湯で1分を目安にさっと茹で上げること。

生のオクラだとシャキシャキとした歯ごたえ、茹でたオクラは柔らかい食感に仕上がります。

プロも実践!オクラの栄養を逃さない保存方法

オクラを生のまま保存するコツ

花が咲いて5〜7日を目安に収穫されるオクラ。市販のオクラが傷まない保存期間は、冷蔵庫で3〜4日程度とかなり短めです。

冷蔵保存では、保存する場所の温度には注意が必要。オクラは温暖な地域で育っているので、寒さに弱い特徴があります。

庫内の温度が5℃以下になると低温障害を起こして傷みやすくなるので、野菜室で保存するのがオススメです。その際、キッチンペーパーで包み「ガク」を下に向けて保存します。

すでに切ったオクラの場合、傷みが早いので冷蔵室でしっかり保存してください。その場合、オクラを密閉できる保存袋などに入れ、2~3日を目安に食べきりましょう。

オクラの冷凍保存のコツ

オクラの冷凍保存は、下処理に加えて水気を切っておくのが成功のコツ。

冷凍方法

下処理済みの生のオクラの場合、キッチンペーパーなどで水気を拭き、小分けにしてラップで包みましょう。茹でてから保存する場合、沸騰したお湯で30秒ほどサッと固めに茹でた後に水気を拭き取ります。どちらの場合も、その後は保存袋に入れ冷凍保存します。

保存期間は約1ヶ月ですので、この期間を目安に使い切りましょう。

解凍方法

和え物などに使うなら、冷蔵庫で自然解凍します。スープ系に使うなら、凍ったまま料理に使用することをオススメします。理由はドリップと呼ばれる水分の中に食材の栄養や旨味成分が流れてしまうためです。

時間がなく電子レンジを使う際は、解凍モードか200Wで1〜2分を目安に様子を見ながら調整してください。

下処理済みのオクラを冷凍しているのでそのまま食べても問題ないですが、お腹の弱い方小さいお子さんが食べる際には加熱するとよいでしょう。

HITOOMOIおすすめオクラレシピ

今回は冷凍オクラを使ったメニューをご紹介します。このままでも美味しいですが、おろしポン酢や玉ねぎソースなどもよく合います。オクラの断面を見せてお弁当のおかずとして詰めるのも可愛いですよ。ぜひお試しください。

オクラの肉巻き

【材料:2人分】
・オクラ(冷凍) 6本
・豚かた薄切り肉 12枚(約120g)
・塩(オクラ用) 少々
・塩こしょう   少々
・サラダ油    小さじ1

作り方

① 沸騰した湯に冷凍したオクラを入れてさっと湯通しする。
② 豚肉を広げ、茹でたオクラを乗せ、くるくると巻く。両面に塩こしょうを振る。
③ フライパンにサラダ油を入れ中火で温め、「肉巻きオクラ」の巻き終わりを下にして入れ、両面に焼き色がつくまで焼く。

美味しく仕上げるポイント

オクラを硬めに茹でておく
肉を巻いて焼いた時に、ちょうど良い柔らかさになるように調整してください。

巻き終わりを下にする
焼く時に巻き終わりを下にすることで、形が崩れにくくなります。

栄養満点のオクラで夏を乗り切ろう!

いかがでしたか?夏野菜のオクラは傷みの早い食材ではありますが、冷凍することで1か月保存できます。栄養価も高い食材なので、夏の常備菜として冷蔵庫にストックしておけると便利ですよね。

今回ご紹介したレシピは冷凍保存したオクラを使って作ることが出来ます。日々の生活に役立てていただけたら嬉しいです。

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