作り置きおかずを冷凍する方法は?賞味期限・注意点・保存に向くおかずを食のプロ集団が解説!レシピ動画付き

作り置きしたおかず、いつまで保存できるのかな?」と気になった経験はありませんか。おかずを冷凍して、そのままお弁当やごはんのおかずとして活用したい!と思う人も少なくないはず。今回は、作り置きしたおかずの冷凍保存テクニックを、管理栄養士が教えてくれました。

もくじ

作り置きしたおかずを保存したい!いつまでに冷凍する?どのくらい保存できる?

最近話題の作り置き。毎回イチから料理をするのが大変だからこそ、作り置きが1品でもあると嬉しいですよね。

作り置きした料理は、食材やメニュー、調理方法にもよりますが、冷蔵庫で2~3日ほど日持ちするのが一般的。食べるときは必要な分だけ再加熱したり、ものによってはさらに手を加えてアレンジもできますね。

しかし、一度にたくさんの量を作るため、消費期限内に食べきるのが難しいこともあるでしょう。そんなときには、冷凍保存がオススメです。

すでに作ったおかずはなるべく早く冷凍して

作りすぎてしまった料理を冷凍保存する場合は、なるべく早く冷凍保存するのがポイントです。

冷蔵保存の場合は2~3日ほど日持ちしますが、少しずつ料理が傷んでいってしまいます。2~3日で食べ切れる分のみ冷蔵保存し、残りは冷凍保存に回すのがオススメ。

また夏場は、冷蔵庫内の温度が上がりやすく湿度も高いため、どうしても傷みやすくなります。夏は冷蔵保存ではなく、最初から冷凍保存するほうが安心ですよ。

冷凍したおかずの消費期限は2週間を目安に食べきって

冷凍したおかずは、料理のメニューや調理方法、使用食材によって異なりますが、おおよそ2週間以内に食べ切るのがオススメです。

ただし保存状態が悪かったり、保存の方法が適切でない場合は、期限が短くなってしまうため、なるべく早く食べ切る方がいいでしょう。

冷凍庫に保存したからといって、酸化や腐敗がまったく進まなくなるわけではありません。通常の保存方法よりも多少日持ちしやすくなるだけだということを覚えておきましょう。

また時間が経過し酸化が進むと、他の食材へのニオイ移りの原因にもなるので注意してください。

冷凍保存は、いつ頃冷凍庫に入れたのかわかりにくいのが難点。密閉袋や保存容器に日付を記載しておくなど、保存期間の管理方法を徹底しておくといいですよ。

冷凍保存に向かない「作り置きおかず」はあるの?

長期的に保存できるようになる冷凍保存ですが、「おかずなら何でもいい」という訳ではありません。冷凍保存と相性の悪いおかずについて解説しましょう。

水分量が多い食材を使ったおかずや、生で食べるもの

水分の多い食材は、冷凍すると食材中の水分が凍って組織を壊してしまいます。結果的に食感が悪くなったり、解凍時に水分が出てきてべちゃっとした状態に。

レタスやトマト、きゅうり、大根などはそのまま冷凍するのは向いていません。また、水分量の多いピクルスや漬け物、サラダなどの生で食べるものも冷凍保存は難しいといえます。

基本的に冷凍保存するものは、再加熱が前提であると覚えておきましょう。

繊維質の多い食材を使ったおかず

食物繊維の多いごぼうやたけのこ、れんこんなどは冷凍保存に向いていません。冷凍すると、食材の細胞が破壊され、筋っぽい食感になってしまいます。

大きく切った形で冷凍すると食感が悪くなりやすいため、どうしても冷凍したい場合は、切り方などを工夫するのがよいでしょう。

たとえば、ごぼうであれば「ささがき」にしてから水にさらして冷凍することで食感を失わずに済みます。れんこんは、すりおろすことで冷凍保存が可能になります。

ただし、筑前煮のような繊維質の多い形のある食材を使ったおかずは、冷凍保存を避けるのがベターです。

油分の多いおかず

マヨネーズを使用した油分の多いおかずは、冷凍すると油分と水分が分離してしまいます。一度分離してしまうと、元に戻すことが難しいため、このようなおかずは冷凍保存には向いていません。

牛乳も脂肪と水分が分離しやすいため、牛乳を使った料理も避けたほうがよいでしょう。ただし、ホワイトソースなどに加工した場合は大丈夫。

油分の多いおかずは、冷凍保存ではなく冷蔵保存するのがオススメです。

冷凍と相性のいい「作り置きおかず」を知ろう!

冷凍しやすい「作り置きおかず」には、どのようなものがあるのでしょうか?いくつかご紹介するので、ぜひ参考にしてくださいね。

肉や魚を使ったおかず

肉や魚は、再加熱を前提としていること、冷凍耐性があることから、冷凍保存と相性が良いといえます。

生の状態や下味をつけてから冷凍した肉や魚は、冷凍したまま調理できます。調理済みのものでも冷凍でき、この場合は電子レンジで解凍するといいでしょう。

冷凍に向いているおかずの例
・ハンバーグ
・豚の角煮
・鶏の唐揚げ
・餃子
・さばの味噌煮

冷凍する際には、1つずつ、もしくは1食分ずつ小分けにして保存しましょう。再加熱したあと、再度冷凍保存はできないため、食べ切れる分だけ解凍するのがコツです。

煮物や下茹でした野菜のおかず

野菜は、生のまま加熱をすると食感が悪くなるものが多いですが、煮物にしたり、下茹でをするなど、ひと手間加えることで冷凍保存できます。

食材によっては、下茹でしてから冷凍することで色や風味をキープしたまま保存することが可能です。解凍する場合は電子レンジで解凍しましょう。

冷凍に向いているおかずの例
・ひじきの煮物
・ほうれん草のごま和え
・かぼちゃの煮物
・さつまいものレモン煮

このような副菜のおかずは、お弁当にも向いています。

お弁当用の小さいカップに詰めてから冷凍すれば、冷凍状態のままお弁当に詰め、自然解凍で食べられますよ。

下味冷凍

下味冷凍とは、肉や魚を冷凍できる密閉袋に入れ、調味料などで味をつけてから冷凍保存する方法です。電子レンジで解凍、もしくはそのままフライパンなどで加熱してから食べます。

下味冷凍のメリットは、2点あります。

ひとつは、あらかじめ味がついているため、調理時間が短く済むこと。もうひとつは、下味をつけることで肉や魚の臭みが消え、味が染み込み美味しく仕上がることです。

冷凍に向いているおかずの例
・豚の生姜焼き
・タンドリーチキン
・ぶりの照り焼き

上記のようなメニューはあらかじめ冷凍しておくことで、当日調理する際の漬ける時間を省略できとても便利。

ちなみに今回の記事の最後では、下味冷凍を使ったフードコーディネーターオリジナルレシピを紹介しています!

作り置きおかずの冷凍保存を成功させるポイント

作り置きおかずが冷凍保存できると分かったところで、気になってくるのは食中毒などの安全面解凍方法ですよね。

せっかく作ったおかずを長持ちさせるためにも、いくつかポイントを押さえる必要があります。

そこで、作り置きおかずの冷凍保存のコツや、冷凍保存する上でオススメのキッチンアイテムをご紹介しましょう。

冷凍保存したおかずを美味しく安全に食べるコツ

調理するときのポイント

調理前に必ず手をしっかり洗いましょう。また、使用するまな板や包丁などの調理器具に、アルコールなどで消毒しておくと安心。常日頃から、菌を繁殖させないようにするのが大切ですよ。

食材を加熱する際はしっかりと中まで火を通しましょう。中途半端に火を通した状態だと、菌が繁殖する原因となります。

水分が多いほど菌が繁殖しやすいため、水気をよく切ったり、汁気がなくなるまで煮詰めることが重要ですよ。

保存するときのポイント

保存容器は、あらかじめしっかり乾燥させましょう。また、調理器具同様、アルコール消毒をしておくことを忘れずに。

おかずを保存容器に入れる際は、冷ましてから蓋を閉めてください。熱いまま蓋をしてしまうと、蒸気が蓋の部分に水となって、おかずが痛む原因になります。粗熱をとってから保存するのがポイントです。

凍らせる際は、なるべく急冷させることで味が落ちるのを防げます。

また、保存容器や袋に必ず日付を書いておくことで、いつ作ったかを忘れずに保存できます。

作り置きにオススメのキッチンアイテム

冷凍・密閉できる保存袋

スタッシャー シリコーンバッグサンドイッチ
(Mサイズ)クリア

下味冷凍を作る際に便利なのが「保存袋」。保管する際に場所を取らないのが嬉しいですよね。

大きさや種類がいくつかあるので、気に入ったものを選んで購入しましょう。保存袋には、冷凍できるもの・できないもの、電子レンジ対応・非対応のものがあるので、必ずチェックしてくださいね。

最近ではシリコン製の保存バッグも人気。プラスチック製の保存袋とくらべて、繰り返し使えたり、加熱調理が可能であることなどが特徴です。

ホーロー容器

グッドプラス (GoodPlus+) ホーロー保存容器
エマイル 角深MLセット レッド 

熱や酸に強いのが特長の「ホーロー容器」。少々値段が高いのが難点ですが、色移りやニオイ移りがしにくいため、長期的に使用できるのもポイントです。

ソースやカレーなど、色やニオイが移りやすいものを保存するのにオススメです。電子レンジは対応していませんが、オーブンや直火で使えますよ。

ガラス容器

iwaki(イワキ) 耐熱ガラス 保存容器 グリーン 7個セット パック&レンジ PSC-PRN-G7

透明な「ガラス容器」は、中に何が入っているかすぐわかるのが嬉しいですよね。商品によっては電子レンジや直火で使用できます。

耐久性も高く、色移りやニオイ移りもしにくいのがメリットである一方、ホーロー容器に比べると重くかさばりやすいのがデメリット。

プラスチック容器

Fullstar 蓋付き食品保存容器 [10個パック、30オンス]
– 蓋付き食品容器 プラスチック容器 –

「プラスチック容器」は、価格が安く気兼ねなく使えるのがポイント。電子レンジでの調理に向いています。密閉性に優れていて、汁物などにも使用できる商品も。

油汚れや色、においが落ちにくいのがデメリットです。また、「電子レンジ非対応」のプラスチック容器を電子レンジで使用すると、変色したり溶ける可能性もあるので気を付けましょう。

冷凍保存したおかずを解凍するときのコツ

冷凍したおかずは、解凍する際にいくつか気を付ける点があります。おかずの種類によってベストな解凍方法が変わってくるためです。

ここでは、おかずの種類別のオススメの解凍方法をご紹介しましょう。

冷凍した「炒め物」を解凍する場合

電子レンジの解凍モードを使用するか、冷蔵庫で解凍してから電子レンジで再度温めるとよいでしょう。こうすることで、温めムラを防ぐことができます。

凍ったまま電子レンジで温めても問題はありませんが、水分が出やすく味が落ちてしまう場合がありますので、覚えておきましょう。

冷凍した「揚げ物」を解凍する場合

オーブンやトースターで加熱すると、水分が飛びカリっと仕上がります。

中まで火が通っているか不安な場合は、一度電子レンジで加熱してから、トースターで加熱するのがオススメ。

冷凍した「煮物」や「ポタージュ」などを解凍する場合

電子レンジか冷蔵庫内で、解凍してから電子レンジで温めましょう

カレーなどの汁気の多い場合は、フライパンや鍋に移して温めても大丈夫です。ポタージュなどの場合は、鍋で湯煎してもよいでしょう。

「下味冷凍」した食材を解凍する場合

冷蔵庫内で解凍、もしくは流水解凍しましょう。どうしてもすぐに調理したい場合は、600Wのレンジで1分程度加熱してから、フライパンなどで調理してください。

凍ったまま加熱してしまうと、肉の場合は仕上がりが固くなってしまうので注意して。

HITOOMOIオリジナルレシピ:下味冷凍の3日間使い切り献立!

今回は、下味冷凍を活用した3日間の使い切り献立をご紹介します。

買い物リストの食材を購入してすべて仕込めば、3日間分の夕食を作ることができ、さらに食材を使い切れます!

メイン料理を下味冷凍しておくことで、味が染み込みやすくなり、食べるときの準備時間も短縮!夕食作りが楽になること間違いなしです。

今回の3日間のメニュー

生姜焼き
みんな好きな大定番メニュー。玉ねぎとエリンギでカサ増しして、満足感のある献立。
ブリの柚子胡椒焼き
お魚を下味冷凍した献立。柚子胡椒がふわっと香って最高に美味しい!
鶏肉のマスタード焼き
マスタードを使った特別感のあるおしゃれなメニュー。ベースは醤油味でご飯にピッタリ

仕込み編

【3日間使い切り】フードコーディネーターちゃらの使い切り献立Part3(つけおきメイン~仕込み編)

生姜焼きの日

【3日間使い切り】フードコーディネーターちゃらの使い切り献立Part3<生姜焼きの日>(ちゃら)

ブリの柚子胡椒焼きの日

【3日間使い切り】フードコーディネーターちゃらの使い切り献立Part3(ブリの柚子胡椒焼きの日)

鶏肉のマスタード焼きの日

【3日間使い切り】フードコーディネーターちゃらの使い切り献立Part3(鶏肉のマスタード焼きの日)

冷凍保存を活用して、作り置きをもっと便利に!

作り置きおかずを冷凍保存すると、より日持するので忙しいときにも大活躍!下味冷凍を活用することで、毎日の食事作りが少しでも楽になるはず。

使い切り献立も、参考にしていただけたら嬉しいです。

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