魚介類の冷凍&解凍テクニック|安全に美味しく食べるための正しい扱い方【管理栄養士監修】

鮮度が命の魚介類。買いだめしても、正しく冷凍して長持ちさせることができたら嬉しいですよね!この記事では魚介類の冷凍解凍テクニックを管理栄養士が解説します。

もくじ

魚貝類を美味しく安全に冷凍したい!チェックポイント5つ

ここからは魚貝類を冷凍するためのチェックポイント5つを解説していきます。

大前提として、調理をする前に手をきれいに洗い、清潔なまな板と包丁を準備することをお忘れなく!

ポイント①魚貝類の性質を知って食中毒を防ごう

日本では魚貝類を生で食べることも多く、その際に食中毒を起こすことがあります。魚貝類特有の食中毒として「アニサキス」という名前を耳にしたことはありませんか?

具体的にどんな食中毒なのか、予防方法なども含めて詳しく紹介します。

食中毒の原因になるのはアニサキス

魚貝類の冷凍保存で心配なのは食中毒。原因の多くはアニサキスによる食中毒です。アニサキスとは寄生虫の一種で小さな白い糸のような形をしています。

症状として食後数時間後から十数時間後に、みぞおちの激しい痛み、悪心、嘔吐を生じるものと食後十数時間後から数日後に、激しい下腹部痛、腹膜炎症状を生じるものがあります。

アニサキスが寄生しやすい魚貝類

アニサキスは以下の魚介類につきやすいとされています。

  • アジ
  • サバ
  • サンマ
  • カツオ
  • イワシ
  • サケ
  • イカ

目視や加熱処理でもアニサキスを予防することができるので注意しましょう。

アニサキスは冷凍で予防できる!

怖いアニサキスですが、正しい冷凍保存をすることで予防することができます。

厚生労働省では-20℃で24時間以上冷凍することを推奨していますので守るようにしましょう。正しい冷凍方法は後ほど解説します。

ポイント②鮮度の高い魚貝類を冷凍しよう

魚貝類は鮮度が命です。まずは購入したその日にすぐ冷凍保存することが最も大切です。

冷蔵保存できる目安は生のまま食べる刺身であれば1日、内臓は傷みやすいため内臓処理をしていない魚は2日、加熱調理する用の切り身は3日です。

いずれの場合も腐敗臭がするものは危険ですので廃棄しましょう。

ポイント③魚貝類は必ず下処理をしてから冷凍しよう

頭、傷みやすい内臓、臭みの原因となりやすいエラ、鱗を取り除きましょう。このひと手間で魚の鮮度はグッと保たれたまま冷凍されます。

そして軽く水洗いをしてキッチンペーパーなどでしっかり水分をふき取りましょう。

ポイント④真空状態で酸化を防いで冷凍できると安心

魚の脂質は酸化しやすい不飽和脂肪酸を多く含んでいます。酸化すると風味や栄養が落ちるため、真空状態にして酸素に触れさせないことが大切です。

酸素に触れないようしっかりラップに包んでさらに密閉保存袋に入れて冷凍保存しましょう。

ポイント⑤急速冷凍で魚の旨味を閉じ込める&食中毒対策を

急速冷凍することによって、魚を凍らせる時に発生する氷結晶を小さくさせることができ、魚貝類の旨味を保つことができます。この氷結晶は冷凍させるスピードが遅いほど大きくなり、早いほど小さくなります。

冷蔵庫に急速冷凍機能がある場合は使用し、ない場合は熱伝導率の高いアルミトレーに乗せて冷凍すると早く冷凍させることができます。

アニサキスを死滅させるためには-20℃24時間以上の冷凍が必要ですが、家庭用の冷蔵庫は-18℃前後であり開け閉めによってすぐに温度が上昇してしまうため48時間以上冷凍させましょう。

冷凍した魚貝類を美味しくいただくなら、氷水解凍が断然オススメ!

解凍する際に魚から液体が出てきてしまったという経験はありませんか?これはドリップといい、魚の栄養素や旨味を含んでいます。

ドリップをできるだけ少なくするためのおすすめ解凍方法は氷水解凍です。

熱伝導率が空気より水のほうが高く、魚が凍る温度帯に近い温度で解凍すること魚のダメージを抑えることができるからです。

大きめのボウルに氷水を入れて、冷凍した魚をパックのまま入れて2~3時間を目安に解凍しましょう。

時間はかかりますが冷蔵庫解凍もドリップの量が少ない状態で解凍することができます。

氷水解凍に似た方法として流水解凍もありますが、水を出しっぱなしにする必要があるので気になる方は氷水解凍がおすすめです。

解凍するのを忘れてしまったり、時間がないときは電子レンジ解凍しましょう。ただしドリップの量は多く出てしまうので様子を見ながら低めのワット数で加熱しましょう。

冷凍保存した魚貝類は2週間を目安に食べきって

魚は酸化しやすく家庭の冷凍庫は業務用の冷凍庫と比べると温度管理が難しいです。

頻繁な開け閉めによって温度も上がりやすいため、正しく冷凍保存した魚でも2週間を目安に食べ切るようにしましょう。

魚の冷凍保存は形状によって注意ポイントが変わってくる!

魚の冷凍保存は用途や形状によって注意するポイントが異なってきます。

ここからは用途別の注意ポイントについて解説していきます。

刺身を冷凍する場合

刺身の場合、イワシ、アジ、サンマ、サバなどの青魚は傷みやすいため、刺身用に切りわける手前の「柵」の状態で冷凍するといいでしょう。

また刺し身で冷凍して解凍したあとは、必ず加熱処理をしてからいただいてください。

切り身を冷凍する場合

空気の触れる面積の大きい切り身の状態で冷凍保存すると味が落ちやすいです。

切り身の場合は、1枚ずつきっちりラップに包んで、さらに密閉袋に入れ、空気に触れないように注意しましょう

丸ごと一匹を冷凍する場合

頭、内臓、エラ、鱗を取り除きしっかり水気を拭き取りましょう。

コツは密閉袋に重ならないように入れること。この時、身が薄く平らにするほど冷凍時間を短縮することができます。

\ 下処理の方法や下味冷凍も写真付きで解説 /

貝類の冷凍保存は下処理がカギ

貝類はしっかりと塩水で砂抜きを知ることが大切です。この時に海水と同じ3%の食塩水で塩抜きを行うと上手に塩抜きができます。

ホタテなどは貝柱だけにして水気をキッチンペーパーなどでふき取りましょう。

\ ほたて・あさり・しじみ…種類別に解説 /

難しそうなイカ・タコの冷凍保存は使いやすいように切ってから冷凍保存

タコやイカは調理の用途に合わせてカットしてから冷凍しましょう。1回分で使う量をラップでくるみ、密閉袋に平らに入れて冷凍します。

魚は調理してから冷凍する?生のまま冷凍する?

魚を生か調理後に冷凍するかについて、これは用途に合わせてどちらでもOKです。

ただし焼いた魚を冷凍する際は、粗熱をとってからにしましょう。熱いままで冷凍すると水蒸気がでて焼き魚に水分がつき、水っぽくなってしまいます。

そのあとは焼き魚も生魚も保存方法は一緒です。ひとつずつラップに包み、密閉袋に入れて冷凍しましょう。

HITOOMOIオリジナル!切り身を使ったメニュー紹介

魚は切り身の状態のものだとわざわざ捌かなくてよいので便利ですよね。今回は魚の切り身を使った毎日の魚料理に活かせるメニューを紹介します。ぜひ試してみてくださいね。

サーモンとアスパラのマスタード炒め

サーモンの切り身を使ったメニューです。アスパラやしめじも入って、おかずとしてバランスが良いですよね。ピリッとしたマスタードが味のアクセントになっています。

タラとキノコのスープ

タラの切り身を使ったスープメニューです。まだまだ寒さも続いているので、体が温まるメニューとしてぜひ作ってみてくださいね。

正しい冷凍方法で魚介類を美味しくいただこう!

いかかでしたか?魚介類は正しく冷凍保存で、美味しく栄養も損なわずにい食べられます。

調理して余った魚でも、きちんと処理して冷凍保存すればフードロスを減らせますね。

毎日の食事作りの効率を上げてくれる正しい冷凍方法で保存しましょう。

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