メインディッシュの定番でもある豚肉。ポークソテーや生姜焼きなど、いろいろなメニューがありますよね!実際、豚肉にはどのような栄養素が含まれているか知っていますか?今回は、豚肉の栄養効果と、食べ合わせにぴったりな食材もご紹介。より美味しく、栄養を余すことなく楽しんでいただければ嬉しいです!
この記事はこんな人におすすめ!
- 体の疲れを感じている方
- ダイエット中で食事に気を配っている方
- 筋トレ中で体作りに取り組んでいる方
- 美肌効果を目指している方
この記事を書いた人
合同会社HITOOMOI
2019年1月に設立したフードコーディネーターと管理栄養士が在籍する料理研究家の会社。レシピの企画・開発から撮影、スタイリング、栄養計算、商品開発を中心に事業を行う。ミッションは「好きな人を想う手作り料理で幸せな食卓づくりを。」
豚肉の栄養効果とは
豚肉は、たんぱく質や脂質、ビタミン、ミネラルなどさまざまな栄養素が含まれている食材のひとつです。
だけど、それぞれの栄養素がどんな働きをするのか、なかなか詳しくわからないものですよね。
こちらではまず最初に、豚肉を食べることで期待できる栄養効果をご紹介します。豚肉はただ美味しいだけでなく、体に嬉しい栄養がたっぷり詰まっている食材であることに気がつけるはずですよ!
豚肉の栄養効果①
疲れたときこそ!疲労回復をサポート
豚肉には、ビタミンB1が含まれています。ビタミンB1は、糖質からエネルギーを作るのをサポートする働きがあるんです。
丼ものや麺類など、糖質に偏った食事をしているとビタミンB1も不足しがちに…。疲れやすくなったり、だるさが出てくることがあるので要注意ですね。
豚肉からビタミンB1をしっかり摂取することで、糖質からエネルギーを作れるため、疲労感がなく元気に過ごせますよ。
豚肉の栄養効果②
髪や肌の健康維持にも頼もしい!
私たちの筋肉や爪、髪、肌などの材料となるたんぱく質が含まれているのが豚肉。豚肉には特にバランスのとれた良質なたんぱく質が含まれているため、効率よく体の中で働いてくれますよ。
たんぱく質が不足すると、髪の毛や爪がボロボロになってしまうので注意しましょう。
また豚肉には、亜鉛も含まれています。たんぱく質の代謝を促す働きがあり、新陳代謝を活発にして、髪の毛や肌のトラブルを改善してくれるのが亜鉛です。
さらに豚肉には、皮膚や粘膜の健康維持に働くナイアシンも含まれているのもポイント。
豚肉の栄養効果③
二日酔いの予防にも
二日酔いの原因となる「アセトアルデヒド」を、分解する働きがあるナイアシン。このナイアシンが不足してしまうと、アセトアルデヒドが体内に残ってしまい、頭痛や吐き気の原因になるといわれています。
また豚肉に含まれるビタミンB1は、アルコール分解酵素の働きを高める働きもあるんです。アルコール分解酵素の働きを高めることで、アセトアルデヒドの分解を促進し、結果として二日酔いの予防効果が期待できます。
豚肉のカロリーや糖質はどのくらい?
ダイエット中の方や、筋トレ中の方などは、特に気になるのが豚肉のカロリーや糖質ではないでしょうか。豚肉は、部位によってカロリーや糖質量が大きく異なります。そのまま食べるもの良いですが、食べる部位を気にすることで、より効果的に健康に近づけますので、ぜひ意識してみてください。
豚肉のカロリーと糖質量を部位別に解説します。数値も表示しましたので、あなたにぴったりの部位がどこなのか、きっとわかるはずですよ。
豚肉のカロリー
100g当たりのカロリーを部位別に見ると、下記のような数値になります。
- かた:201kcal
- ロース:248kcal
- ばら:366kcal
- もも:171kcal
- ヒレ:118kcal
一番カロリーが高いのは、ばら肉です。ばら肉は赤身と脂肪が3層になっており、脂肪が他の部位より多く含まれている分、カロリーも高くなります。
反対に、一番カロリーが低いのはヒレ肉。豚肉の中でも脂身が少なく、一番ヘルシーです。
豚肉の糖質
100g当たりの糖質量を部位別に見ると、下記のような数値になります。
- かた:0.2g
- ロース:0.2g
- ばら:0.1g
- もも:0.2g
- ヒレ:0.3g
糖質量は、どの部位も0.1~0.3gと少ないです。ただし、調理する過程で小麦粉やパン粉などを使ったり、糖質の多い調味料を使用することで、糖質量はどんどん多くなります。
糖質を気にされている方は、調理法や食べる料理の種類に注意しましょうね。
管理栄養士がずばり解説!
豚肉がおすすめなのはこんな人
豚肉の栄養効果を元に、どんな人におすすめなのかを考えてみました♪
豚肉がオススメの人①
お仕事や育児などで疲れている方に
ビタミンB1が豊富に含まれている豚肉は、疲労回復効果が期待できるので、疲れが溜まっている方にぴったりです。
特に疲れている方は、ビタミンB1だけではなくエネルギーも必要に。豚肉の中でも、たんぱく質や脂質を含んでいるロースの部位がオススメです。
豚肉がオススメの人②
ダイエット、筋トレしている方に
豚肉は、高たんぱく質低糖質の食材であるため、ダイエットをしている方や、筋トレをして身体づくりをされている方にも意識して食べてもらいたい食材です。
特にオススメなのは、脂質が少ない部位であるヒレ肉。
実はヒレ肉、豚肉の中でも鉄などのミネラルを多く含んでいます。ダイエットをしている方は鉄が不足しがちなので、ヒレ肉はオススメなのです。
食べる時は、シンプルに焼いて食べたり、ゆでたりすると良いでしょう。
豚肉がオススメの人③
肌荒れが気になる方に
豚肉は、肌や粘膜の健康維持に働く栄養素を複数含んでいます。皮膚の材料となるたんぱく質や、たんぱく質の代謝を促す亜鉛も含まれており、肌荒れが気になる方にオススメです。
特にモモの部位には、たんぱく質や亜鉛だけではなく、肌や粘膜の健康維持に働くナイアシンが多く含まれています。脂質も少ないので、美容を気にされている方には嬉しいですよね!
豚肉は短時間かつ強火で調理!
管理栄養士が教えるオススメ調理法・NG調理法
豚肉を食べるとき、しっかり火さえ通せばいいと思っていませんか?
実は豚肉、より美味しく、より効率よく栄養素を摂取できる調理法があるんです。ちょっとしたコツをおさけるだけなので、すぐに実践できますよ。
このパートでは、豚肉のオススメの調理法と避けたほうが良い調理法についてご紹介します。
豚肉のオススメ調理法
豚肉を美味しく食べるには、焼いて食べるのがオススメです。焼くことで旨味が増し、より美味しく味わうことができます。
加熱するときは、短時間かつ強火で焼くのがコツ。長時間加熱すると、ビタミンB1などの熱に弱い栄養素を失ってしまうからです。
また豚肉を焼いた時に出る脂には、旨味も一緒に溶け出していることを覚えておきましょう。野菜と一緒に炒めると野菜にも豚肉の旨味がうつるため、料理全体を美味しく仕上げることができますよ!
豚肉のNG調理法
豚肉はなるべく茹ですぎないようにしましょう。豚肉に含まれるビタミンB1などの水溶性ビタミンは、水に溶けだして流出してしまいます。
茹でる場合は、火が通ったらすぐ湯から取り出しましょう。スープに使用する場合は、汁も一緒に飲むことで栄養素を逃がさず摂取できますよ。
豚肉の栄養効果を高める!
相性の良い食べ合わせ3選
ここでは豚肉と一緒に食べることで、さらに栄養効果を高める食材をご紹介します。豚肉を調理する際には、ぜひ相性の良い食材を意識してみてください。
美味しさも栄養価もアップする魔法の組み合わせを考えてみました!
栄養アップの食べ合わせ:豚肉×にんにく
豚肉とにんにくは、疲労回復効果をより期待できる食べ合わせです。豚肉に含まれるビタミンB1が糖質からエネルギーを作る働きを助けることで、疲労回復につながるといわれています。
このビタミンB1の吸収を促進するのが「アリシン」です。にんにくに含まれている「アリイン」が、にんにくを切ったりすりおろしたりすることで、「アリシン」に変換されます。
豚肉とにんにくを一緒に食べる際には、にんにくを薄く切ったり、つぶしたり、すりおろしてから調理するのがオススメです。
栄養アップの食べ合わせ:豚肉×ブロッコリー
豚肉とブロッコリーの食べ合わせは、動脈硬化の予防に効果が期待できます。
豚肉に含まれるたんぱく質は、髪や爪、肌を作るだけではなく、血管などの内臓を作る材料としての働きもあるのです。たんぱく質をしっかり摂取することで、しなやかな血管を作ることに繋がりますよ。
また、ブロッコリーにはビタミンCが豊富に含まれているのもポイント。ビタミンCは抗酸化作用があり、血管の老化を防ぐことにつながります。
栄養アップの食べ合わせ:豚肉×りんご
豚肉とりんごの食べ合わせは、便秘解消に効果が期待できるといえるでしょう。
薬膳的な考え方からすると、便秘は腸に熱がこもって起こることがあるとされています。豚肉は身体を潤す作用があるので腸の乾燥を防ぎ、りんごは余分な熱を取る働きがあります。
豚肉とりんごを一緒に摂ることで腸を潤すのと同時に、こもった熱を逃がすことができるのです。そのため、結果的に便秘解消につながるとされていますよ。
また、りんごに含まれる「酸」は、肉を酸性にすることでたんぱく質分解酵素が働き、肉をやわらかくしてくれます。
すりおろしたりんごに豚肉を漬け込み、調味料を加えてソテーしても美味しいですよ。
相性の悪い食材も!
豚肉とNGの食べ合わせ2選
実は、豚肉と一緒に食べると良くないとされている食材がいくつか存在します。
今回は薬膳的な考え方を参考に、豚肉と一緒に食べるのを避けたほうがよい食材を考えてみました。
栄養ダウンの食べ合わせ:豚肉×コリアンダー
コリアンダー(パクチー)は、甘くさわやかでほんのりスパイシーさがあるスパイスの一つです。このコリアンダーには、発汗作用があります。
一方、豚肉は体を潤す働きがあるとされており、一緒に摂ると、水分代謝に影響が出るといわれています。
栄養ダウンの食べ合わせ:豚肉×大豆
大豆は、食物繊維が多く便秘解消にオススメの食材のひとつです。しかし、たくさん摂ると、消化不良を引き起こすといわれています。
一方、豚肉は薬膳的に便秘に効果が期待できるといわれている食材です。この2つを一緒に摂ると、お腹に働きかける力が強くなり、結果として消化不良などを引き起こす可能性があります。
豚肉を使って低糖質!
オリジナルレシピ「茹で豚の四川風ソース」
いろいろな栄養効果ぎゅっと詰まった豚肉。美味しく食べれて栄養もバッチリ、今まで以上に食卓で上手に取り入れられたら嬉しいですよね!ここでは、ダイエットしている方にオススメの低糖質レシピを紹介します。
茹で豚を使用するのであっさりしつつ、おかずにぴったりなレシピです
栄養満点の豚肉で元気に過ごそう!
豚肉は、疲労回復効果や肌の健康維持に期待できる栄養素が含まれていることが分かりました。また、部位によってカロリーや糖質の量が異なるので、自分に適した部位を美味しく食べられるといいですよね。
豚肉は、幅広い料理に使うことができるので、ぜひ日々の食生活に取り入れてみてください。
- 出典:日本食品標準成分表2020年版(八訂):ぶた[大型種肉]、エネルギー参照
- 出典:日本食品標準成分表2020年版(八訂):ぶた[大型種肉]、利用可能炭水化物(質量計)参照