「うなぎは梅干しと食べ合わせが悪い」と言われますが…実は相性の良い組み合わせだったのです。栄養学の考え方では、一緒に食べることで体に嬉しい効果が期待できるのだとか!この記事では、うなぎと本当に食べ合わせが良い食材を、管理栄養士が解説してくれました。
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合同会社HITOOMOI
2019年1月に設立したフードコーディネーターと管理栄養士が在籍する料理研究家の会社。レシピの企画・開発から撮影、スタイリング、栄養計算、商品開発を中心に事業を行う。ミッションは「好きな人を想う手作り料理で幸せな食卓づくりを。」
NGと言われる「うなぎ×梅干し」実は相性の良い組み合わせだった!
日本では昔から「うなぎと梅干しは食べ合わせが悪い」と言われていますね。しかし、これはあくまでも迷信であり、含まれている栄養素から考えると、食べ合わせが悪いわけではないのです。
それではなぜ、「うなぎと梅干しは食べ合わせが悪い」と言われてきたのでしょうか?
うなぎ×梅干しの食べ合わせが悪いと言われた背景
うなぎと梅干しの食べ合わせが悪いと言い伝えられてきたのには、いくつかの説が考えられています。
ひとつは、食べ過ぎ防止の説です。うなぎは昔から贅沢の一つでした。梅干しの酸味には食欲を促進させる働きがあり、高価なうなぎを食べ過ぎないようにするためと考えられています。
もう一つは、食中毒予防の説です。梅干しは強い酸味があるのが特長ですよね。もしうなぎが腐っているにも関わらず、一緒に梅干しを食べてしまうと、梅干しの酸味によってうなぎが腐っていたのかどうかが分からなくなる可能性があるといわれています。
それ以外にも、梅干しの酸味とうなぎの脂が刺激し合うことで、消化不良を引き起こすのではないかと考えられていたようです。
しかし、これらはあくまで言い伝えのひとつ。うなぎと梅干を一緒に食べたからといって、必ずしも体調を崩すといった医学的根拠はありません。
うなぎ×梅干しの食べ合わせが良いとされる理由
うなぎと梅干しを栄養学の考え方からみると、食べ合わせが良いと考えられます。
うなぎにはビタミンB1と呼ばれる栄養素が含まれており、糖質の代謝をサポートして、エネルギーを効率よく生み出してくれます。また、梅干しに含まれるクエン酸は、エネルギー代謝を活発にする働きが。どちらの栄養素も、疲労回復やスタミナアップに効果が期待でるんです。
また、梅干しの酸味は、胃酸の分泌を促進する働きも。うなぎは脂が多いですが、胃酸が多く分泌されることで消化を助けてくれ、胃もたれの予防効果が期待できます。
このような理由から、うなぎと梅干しは「相性が良い組み合わせ」と考えられるでしょう。
管理栄養士が教える!うなぎと食べ合わせが良い食品
うなぎには、脂質やたんぱく質だけではなく、ミネラルやビタミンも数多く含まれています。特に皮膚や粘膜の保護に働きかけてくれるビタミンAが豊富なんです。
しかし、ビタミンの中でもビタミンKやビタミンCが少ないので、他の食材で補うのがオススメです。
きゅうり×うなぎの食べ合わせ
うなぎときゅうりといえば、「鰻ざく(うざく)」と呼ばれる料理があります。鰻ざくは、熱々のうなぎのかば焼きに、冷たいきゅうりの酢の物を合わせたものです。
きゅうりには、うなぎにあまりないビタミンCが含まれています。また、きゅうりの酢の物に使用される「お酢」は、脂質の分解を助けてくれるため、脂っこいうなぎとの相性が良いと考えられるんです。
さらに、きゅうりはカリウムの働きである「利尿作用」により、体にこもった熱を排出してくれる効果も!うなぎに含まれるビタミンB1と合わせて、夏バテにも効果が期待できるでしょう。
豆腐×うなぎの食べ合わせ
うなぎと豆腐の組み合わせとして、島根県の郷土料理「うなぎ豆腐」があります。うなぎ豆腐は、食べやすい大きさに切ったうなぎと豆腐を、だし汁で煮込んで作った料理のこと。うなぎのだしが豆腐に染み込み、とても美味しく食べられるんです。
うなぎにも豆腐にも、たんぱく質やカルシウムが含まれており、体づくりをサポートしてくれるでしょう。どちらの食材も食物繊維やビタミンCを摂取するのが難しいため、キノコやネギなどと一緒に煮込むのがオススメです。
卵×うなぎの食べ合わせ
「う巻き」や「うな玉丼」といった料理で、一緒に食べることが多いうなぎと卵の組み合わせ。両方ともビタミンB群を含んでいるため、夏バテ防止に効果が期待できます。
また、卵と一緒に食べることで、うなぎだけでは不足してしまう栄養素を補填できるのもポイント。
卵には、骨の形成に必要なたんぱく質を活性化させる働きのあるビタミンKが含まれています。その他にもビタミンKは、ケガなどで出血した際に血を止める成分の生成に関わっているんです。不足すると出血が止まりにくくなるのだから、意識して摂取したい栄養素ですね。
卵が加わることで見た目も明るくなって、より一層美味しく食べられそうですね!
ねぎ×うなぎの食べ合わせ
ねぎには、免疫力を高める働きや、コラーゲンの生成に関与しているビタミンCが含まれています。
元々うなぎにはビタミンCがあまり含まれていませんが、ねぎを一緒に食べることで簡単に足りない栄養素を補えますよ。
わさび×うなぎの食べ合わせ
うなぎの白焼きは、わさび醤油で食べるのが定番ですよね。ねぎと同様、わさびにもビタミンCが含まれています。そのため、うなぎに不足している栄養素を補強できるのです。
わさびと合わせることで、うなぎをさっぱりと食べられるのもポイント。油っこさが気になる人は、ぜひとも試してみてくださいね。
管理栄養士おすすめ!市販の「うなぎのかば焼き」を美味しく食べる裏技
うなぎをおうちで楽しむとき、スーパーで売られている蒲焼きを購入することが多いのではないでしょうか?
実は、うなぎの温め方ひとつで美味しさが変わってくるんです!今回は、うなぎの蒲焼きを美味しく食べるための温め方をご紹介します。
美味しいうなぎの蒲焼きの温め方
①うなぎをバットなどに入れ、うなぎがひたひたに浸かるまで熱湯をかける。1分程したら、水気を切りましょう。
②フライパンに料理酒と付属のうなぎのたれ、もしくはたれの調味料を入れて火にかけ、煮立たせます。
③①のうなぎを入れて、蓋をして2~3分蒸し焼きにする。
市販のうなぎにひと手間加えることで、ふっくらやわらかく仕上がります。お好みで、丼にしたり、ひつまぶしにしても美味しく食べることが出来ますよ。ぜひお試しください!
うなぎ料理、試してみて!
「うなぎと梅干しは食べ合わせが悪い」と日本では言い伝えられてきましたが、実は食べ合わせの良い組み合わせだったのです。
丼だけではなく「う巻き」などの料理としても食べられるうなぎ。食べ合わせの良い食材と調理することで、理にかなった料理になっているのではないでしょうか。
うなぎを食べるときには、この記事を思い出していただけたら嬉しいです。