皆さんは「野菜をまとめて買ったのに野菜室に入りきらなかった!」「せっかく買った野菜を腐らせてしまった!」なんて経験はありませんか?野菜にはそれぞれの野菜に適した冷蔵保存方法があります。同じように、冷凍にも野菜毎に適した保存方法があります。適した保存方法を活用して、買った野菜を腐らせずに少しでも長く保存できたらいいですよね。この記事では、管理栄養士が野菜の冷凍保存法・解凍法を解説します!
管理栄養士が教える!野菜の冷凍保存のキホン4つ
野菜を冷凍保存する前に確認!冷凍保存するうえで大切なキホン4つを解説します。
野菜の冷凍保存のキホン①鮮度がダウンする前に冷凍しよう
野菜の鮮度は、収穫した瞬間から落ちています。野菜の持っている栄養を無駄にしないためにも、買い物から帰ったらすぐに冷凍する準備をしましょう。
野菜の冷凍保存のキホン②野菜を空気に触れさせずに冷凍する
野菜は空気に触れると酸化してしまい、鮮度が落ち味も栄養も悪くなります。
また冷凍している野菜が空気に触れると、冷凍焼けを起こします。冷凍焼けとは、冷凍した食品から水分が抜け乾燥し、そこから空気が入って酸化が起こり、風味が落ちてしまうことです。
冷凍焼けを起こさないためには、できるだけ空気を抜くことが大事です。真空パックがある場合は、空気を抜いて使用して活用しましょう。
野菜の冷凍保存のキホン③急速冷凍がお約束
食品が凍るときには、最大氷結晶生成温度帯(-1~-5°)と呼ばれる温度帯を通過します。ゆっくり冷凍してしまうと、この温度帯を通過する際に氷の粒が大きくなり、食品の細胞を壊してしまいます。
そのため、この温度帯をなるべく早く通過させることがポイント。急速冷凍機能のある冷凍庫をお持ちの方は、ぜひ活用してください。
この機能がないという方は、熱伝導率が高い金属製のトレーにのせて冷凍するのがオススメです。こうすることで、冷凍時間を短縮できます。
野菜の冷凍保存のキホン④冷凍した日付を記載する
冷蔵保存をするよりも長持ちする冷凍保存ですが、あくまでも一時的に保存しておくも。冷凍した野菜には、それぞれ保存した日付を書くことで、食べ忘れを防げます。
また、使わなければならない野菜が一目でわかるので、献立もたてやすいですね。期間冷凍保存すると冷凍焼けの原因にもなるので、野菜にもよりますがおおむね1カ月を目安に食べきるようにしましょう。
野菜の種類別6パターン!管理栄養士が教える冷凍保存&解凍テクニック
ここからは、通年スーパーで手に入りやすい指定野菜を6パターンに分けてみていきましょう。
指定野菜とは、国が定めた14品目の消費量の多い野菜のことです。これらの食材は、通念でスーパーで手に入るのが特徴です。今回は、その野菜を6グループに分けました。
- 水分が多い野菜
- 葉物
- 芋類
- 根菜
- 冷凍に適した野菜
- 色が変わりやすい野菜
ここから、それぞれオススメの冷凍方法を解説します。
①水分が多い生食向きの野菜:丸ごと冷凍する
きゅうり、トマト、レタスなどの、水分が多い生食向きの野菜は、水でよく洗ってからペーパータオルでしっかり水分を拭き取りましょう。その後、保存袋に入れて空気を抜いて冷凍させます。
②食感がしんなりしやすい葉物:大きめのざく切りにする
キャベツ、白菜などの、食感がしんなりしやすい葉物は、水で洗ってから大きめのざく切りにします。
キャベツや白菜は、水溶性のビタミンを豊富に含んでいるため、切り分ける前に水で洗うと良いです。量の多いキャベツや白菜は、色々な切り分けをしておくと料理にも使いやすいですよ!
保存袋に入れる前には、水気をしっかりペーパータオルでふき取りましょう。下茹でしてから冷凍保存もできますが、水溶性ビタミンは溶出してしまうため、短めにさっと茹でるのがコツです。
③ホクホク食感を保ちたい芋類:茹でる
里芋、ばれいしょ(じゃがいも)など、ホクホク食感を保ちたい芋類は、皮をむきお好みのサイズに切り分けてから茹でます。水分をぺーパーやザルでふき取り、保存袋へ入れて空気を抜いてから冷凍庫へ入れましょう。
④繊維質で水分量の多い根菜:細かく切るか、すりおろす
大根やにんじんなど、繊維質で水分の多い野菜は冷凍すると味がしみ込みやすくなります。
できるだけ細かく切り分けたり、すりおろすのがオススメです。ペーパーで水分をふき取り、保存袋に入れて空気を向いたら冷凍庫へいれましょう。
⑤冷凍むきの野菜:そのままお好みの大きさに切る
ピーマン、玉ねぎ、ネギなどの、冷凍向きの野菜は洗ってお好みの大きさに切り分けます。水気をペーパーでふき取り、保存袋に入れて空気を抜き冷凍庫へ入れます。
ピーマン、たまねぎ、ねぎは、凍ったまま加熱調理するのがポイント。
⑥色味が悪くなってしまう野菜:湯または油通しする
ほうれん草、なすなどの、色味が悪くなってしまう野菜は、湯または油通ししてから保存袋へ入れ空気を抜いて冷凍保存しましょう。
ほうれん草やなすは、アクの成分が強く色が悪くなりやすいので、それぞれ下処理をしっかり行い冷凍保存するのが大切です。
保存袋・保存容器・ラップ?野菜の冷凍保存で使うべきアイテムを管理栄養士がジャッジ!
冷凍保存で使用されるアイテムには「保存袋」「保存容器」「ラップ」がありますが、どのように使い分ければいいのか気になりませんか?
鉄則は冷凍保存が可能なアイテムを選ぶこと!家庭用の冷凍庫内の温度はー18℃がほとんどなので、-18℃以下でも耐えられるものを選ぶようにしましょう。
管理栄養士イチオシ!野菜の冷凍保存でオススメは「保存袋」
保存袋は冷凍庫の場所をとらず、平たくすれば早く冷凍でき、空気も抜きやすいので冷凍保存にピッタリ!冷凍保存袋には「マチ付き」と「マチなし」のものがあります。
- トマトなど、丸ごと入れたいとき→マチ付き
- ピーマンなど、できるだけ平たく入れたい→マチなし
など、用途によって使い分けると良いでしょう。
最近の保存袋は、使い捨てで衛生面がピカイチの「プラスチック製」だけでなく、繰り返し大事に使えるエコな「シリコン製」もあります。
どちらもデザイン性に優れているので、自分好みの保存袋を使うことで下処理や調理の時間もちょっと楽しくなりそうですね!
デリケートな野菜を冷凍するなら「保存容器」
押しつぶされる恐れがある野菜を冷凍するなら、保存容器がオススメ!
- 色移りや匂い移りがしにくいホーロー容器
- 耐久性の高いガラス容器
- 密閉性に富んだプラスチック容器
などがあります。繰り返し使えるが保存容器の特徴ですね。
保存容器は、冷凍庫の場所をとってしまうのがデメリットです。
また、きちんと蓋をしないと液だれや空気が入り込んでしまう可能性も…。中には容器内の空気を抜いて密閉できる保存容器もあるので、探してみるのもいいかもしれません。
「ラップ」は使い切りの冷凍野菜にぴったり
1回で使う量の野菜を冷凍するには、ラップで保存するのが良いでしょう。
ほうれん草など、保存袋や保存容器に丸ごと入れると固まってくっついてしまう野菜にオススメです。ラップなら調理の際にはがせば良いだけなので使いやすさナンバーワン!
ただし、ラップが剥がれたり、隙間から酸素を通す恐れがあるため、ラップで包んだ後は保存袋に入れるとさらに良いです。
冷凍野菜を長く保存するために気を付けたいポイント
冷凍野菜をできるだけ長持ちさせるためには、やはり正しい下処理方法と保存方法が大切であることがわかりました。それに加え、冷凍庫の温度を保つことも大切なポイントです。
冷凍庫を最適温度に保つためには、ドアの開閉時間を短くしたり、開閉回数を減らすことが重要です。
せっかく正しい方法で冷凍保存しても、冷凍庫内の温度が上昇してしまえば水の泡。また、一度に多くの野菜を冷凍庫に入れると急な温度上昇に繋がるので注意しましょうね。
冷凍野菜を使って、効率的に♪
それぞれの野菜の特徴を見極めて、栄養も逃さず冷凍保存できたら幸せですよね。料理の時間も効率的になり楽しくなるはず!ご紹介した冷凍テクニックをぜひ試してみてください。